Cominix、切削工具のEC事業参入 ネット子会社設立
Cominixは切削工具の電子商取引(EC)事業に参入する。OEM(相手先ブランド)調達したドリル、エンドミルの工具類のほか、インサート(刃先交換チップ)などを10月1日から、ネット販売に特化した新設の子会社が供給する。従来回り切れていなかった町工場などの少量需要を開拓する。将来の海外展開も視野に、新会社で2027年3月期に10億円の売り上げを目指す。
工具通販の新会社「さくさく」は大阪市中央区に拠点を置く。資本金は1000万円で従業員は3人。Cominixの沢口典宏常務が、さくさく社長を兼務する。
通販では切削工具や旋盤のインサートなど、さくさくブランドの自社製品としてまず約1200点を用意。20年中に約2000点に伸ばす。インサートの価格は100枚購入時に1枚当たり222円(消費税抜き)で設定。工具を含め通常より3割程度安価にする。委託倉庫を大阪府箕面市に構えて在庫は約30万個を確保。18時までの注文は当日発送に応じる。
専用サイトでは販売する工具の扱い方を分かりやすく動画で指南し、訪問営業が行き届きにくい中小の町工場など加工現場の困りごとの解決に貢献する。
さくさくの沢口社長は「コモディティー(汎用品)化した製品の場合、営業スタッフや販売店が扱いづらい」と指摘。人的対応だと利益が出にくい安価な領域と、新型コロナウイルス禍もあり現在は訪問営業がカバーしにくい需要をECで取り込む。当面国内向けでの展開だが、将来は中国や東南アジアなど海外展開も目指す。