村田ツール、ディスク式バリ取り機を投入 重切削でドロス・スパッタ対応
村田機械子会社の村田ツールは、板金加工時に発生するドロスやスパッタ、バリに対して重切削が可能なディスク式バリ取り機を発売した。独自開発の研磨部材を取り付けたディスクを用い、従来方式では完全な除去が難しかった硬くて大きなドロスなどに対応でき、製品品質の安定化や省人化に寄与する。消費税込みの価格は1350万円。月2台の販売を目指す。
新製品の「DB1000H」は機械内部の前方と後方に2個ずつ研磨ディスクを配置し、ディスクを回転させながら粘着式のコンベヤーに固定した加工対象物(ワーク)を加工する。ディスクはドロスやスパッタ、バリを除去するのに硬い素材を採用したもの2種類と、面取り用3種類を標準で用意。顧客の加工ニーズによって取り替えられる。例えば、前方ディスクでドロスなどを除去してから後方で面取りを行うといった、1度の加工で面取りまで仕上げることも可能だ。
加工をより高精度にするため、摩耗するディスク下面を光電センサーで自動測定。ディスクの高さはプラスマイナス0・04ミリメートル以下に抑えられる。設定した板厚以上のワークを流した場合に機械を自動停止させる機能も搭載。ワークの固定に吸引ブロアを使わず、消費電力を同社従来機比約4分の1、設置面積を同約2分の1に低減できる。
板金加工市場では二酸化炭素(CO2)レーザーからファイバーレーザーへの切り替えが進み、切断される板も厚くなっている。発生するドロスやスパッタなどはより硬く、大きくなってしまい、主流のブラシ式バリ取り機による完全除去が困難となっている。