嶋田鉄工所、2主軸1タレットNC旋盤 加工とワーク装着同時に
嶋田鉄工所は、複合加工が可能な2主軸1タレットの数値制御(NC)旋盤「2SI―8 Mk―Ⅱ」を発売した。二つの主軸を加工用と着脱用とで役割を分け、加工の間に加工対象物(ワーク)のローディングをできるようにし、機械の待機時間を抑える。従来機種よりチャック能力などを高め、幅広いワークに対応させた。標準仕様の価格は1750万円(消費税抜き)。年間30台の販売を目指す。
主軸はドラムという円形のテーブルに2本設置。片方の主軸はスライドドアで機械外部と仕切った加工室内にあり、もう一方はドアの外に出る構造にした。これにより室内での加工と外部でのローディングを同時進行可能。両作業が完了するとドアを開き、テーブルを180度旋回して、両方の主軸の位置と役割を逆転させる。
主軸は加工側が低く、ローディング側を高く配置。高精度と重切削に必要な低重心を確保しつつ、作業者が着脱時に腰をかがめる必要性を減らし、ローディングをしやすくした。外部の主軸上部にロボットも置けるデザインで、省スペースでの自動化も可能だ。
またビルトイン主軸モーターやドア開閉でのサーボモーターを採用し、各種動作を高速化。ドア開閉と主軸切り替え時にのみ生じる待機時間を、従来3・2―3・5秒ほどだったのを2・0―2・2秒ほどに短縮した。