データ・デザイン、AIでCAMプログラム 部品加工向けソフト発売
データ・デザインは、AI(人工知能)がCAMによる加工プログラム作成の大半を自動で行うソフトウエアを発売した。英クラウドNC(ロンドン市)が開発し、データ・デザインが日本語化した。主要工程部分のプログラムをソフトが自動生成し、残りの部分をプログラマーが補完して完成度を高める。プログラム作成の大幅な短縮や省力化をする製品として注目を集めそうだ。
航空宇宙や造船、半導体、建設機械、エネルギーなどの分野の付加価値の部品加工での利用を想定する。消費税抜きの年間利用価格は、利用者3人の場合で1年目300万円、2年目以降240万円。初年度100本の販売を目指す。
新ソフト「CAMアシスト」ではCADファイルを読み込んだ後、加工方向や治具情報を設定し、工具、材料、加工機を選んで加工精度や生産性などを指定する。ソフトはその情報をクラウドNCのサーバーに送り、それで自動作成した加工プログラムを出力する。
単純な形状で幾何公差がプラスマイナス0・02ミリメートル程度の部品であれば、70―100%の範囲でプログラムの自動生成が可能。残りの高度な技術や付加価値が求められる部分をプログラマーが補完して仕上げる。
クラウドNCは英国で機械加工事業を手がけており、自らの加工ノウハウを元に新ソフトを作り上げた。
使用するAIは、大量のデータに基づくデータ駆動型と人の知能を再現する理論知識型を組み合わせたハイブリッドAIで、少ない学習データでも高度な自動化を可能にしたという。
対応のCAMソフトはシーメンスNX、Mastercam、オートデスクフュージョン。今後、対応ソフトを増やしていく予定。