不二越、DLCコーティング装置 成膜速度最大150倍
不二越は従来機と比べ成膜速度を最大150倍に速めたダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティング装置「SMVP―1020」を発売開始した。マイクロ波を利用した技術を採用することで、高密度プラズマによるDLC膜コーティングを超高速化する。半導体製造装置のバルブや継ぎ手、パイプ内面に加え、金型などの耐腐食化・耐摩耗化を実現する。価格はオープン。年間10台の販売を目指す。
SMVP―1020では、マイクロ波を利用したコーティング技術「MVP法」を採用した。高密度プラズマによるDLC膜コーティングの高速化で、外面コーティングでは毎時150マイクロメートル(マイクロは100万分の1)を実現する。アーク法やスパッター法を採用した従来機と比べ、成膜速度は30―150倍程度まで向上する。
小径穴内面へのコーティングを可能にしたのも特徴の一つ。従来技術では困難だった直径30ミリ×長さ500ミリメートルや直径3ミリ×長さ100ミリメートルといった小径穴への成膜にも対応できる。
装置の据え付け寸法は幅2・1×奥行き2・0×高さ2・1メートル。成膜有効範囲は直径250ミリ×高さ500ミリメートル。
DLC膜は炭素を主成分とする非結晶質のカーボン物質膜。半導体製造装置や金型関連だけでなく、紡績機械のノズルや自動車部品、アルミニウム切削用ドリル、ガラスなどに幅広く使用されている。