小型・複雑形状に対応 DMG森精機、複合加工機発売
DMG森精機は、小型・複雑形状加工に対応する複合加工機「NTX500」を発売を開始した。容積を従来最小機種と比べ4割縮小。高出力主軸の搭載などにより、同加工における生産性や加工精度向上を実現する。価格は3770万円(消費税抜き)から。医療機器や時計、光学部品、ロボット部品など加工向けに年間240台の販売を見込む。
サイズは幅3480ミリ×奥行き2060ミリメートルで、同社複合加工機「NTXシリーズ」で最小となる。これまで自社工場の広さに制約があり、複合加工機を導入しにくかった顧客でも利用できる。
全長250ミリメートルと小型で、最高回転速度が毎分4万2000回転、出力15キロワットのターンミル主軸を搭載。90度回転した同主軸が左右主軸の間にあっても、第2刃物台との干渉がなく、左右の各主軸で同時に加工できる。
第2刃物台には、最高回転速度が毎分1万2000回転のミーリング主軸を標準搭載したほか、ストロークがプラスマイナス30ミリメートルのY軸も搭載し、幅広いミーリング加工に対応する。
またX、Y、Z軸へのスケール標準搭載や機体冷却などの熱変位抑制により、高精度を実現した。直感的な操作で工具段取り時間を短縮できるマガジン操作パネルの搭載や、加工対象物(ワーク)の搬送や洗浄、バリ取りに対応する機内走行式ロボットも組み込める。
医療機器や時計、ロボット部品市場では複雑な形状のワークの小型化、精密化が進んでいる。同社では「より小型・複雑なワークに見合った機械」(栗谷龍彦執行役員)として訴求し、小型複合加工機の需要を取り込む。