振動で切りくず分断、処理の手間・費用削減 DMG森精機、機械加工に新機能
DMG森精機は機械加工時に発生する切りくずを、送り軸に振動を与えて分断する機能「チップブレーキング」を発売した。切りくずトラブルを解消し、切りくずの除去作業も不要となり、切りくず処理の手間や費用を大幅に削減できる。自動化システムの導入も容易となり、生産性の向上につなげられる。価格は55万円(消費税抜き)から。
工作機械本体やソフトウエアを一体提案する「テクノロジーサイクル」の新機能として提供する。搭載可能機種は、同社製のターニングセンターと複合加工機、4軸複合加工機で、既に導入済みの機種にも適用できる。
主軸回転と同期した振動を送り軸に与え、送り軸方向に工具を振動させることで、非切削時間を設けて切りくずを分断する。主軸1回転当たりの振動回数を変更することで切りくずの長さを調整できる。
切りくずが長くなりやすい樹脂や純銅、純アルミニウムでも確実に切りくずを分断できる。外径旋削のほか溝入れや穴開け、内径旋削などさまざまな加工方法に対応する。
機械加工の現場では加工時に発生する切りくずが工具や加工対象物(ワーク)に巻き付くことで、加工不良や精度不良を引き起こすほか、機械の停止や故障の原因にもなっている。特に切りくずが長くなりやすい被削材に対しては、手作業による切りくず除去をはじめさまざまな対策が必要となる。一方、これらの方法には追加の工具や設備導入の費用が伴い、除去作業などに時間を要するという課題がある。