DMG森精機、独で増産 MC納期短縮
DMG森精機はドイツで自動化とデジタル技術を組み合わせた生産方式を拡大する。2022年夏をめどにゼーバッハ工場に無人搬送車(AGV)を使った生産ラインを導入。
22年に同工場全体の工作機械の生産台数を21年計画比150台増の1250台に増やす。フロンテン工場(バイエルン州)でも同方式による生産の対象機種を追加する。生産効率化により、顧客の独自仕様品も含めた短納期化につなげる。
ゼーバッハ工場内に新たに導入する生産ラインでは、5軸マシニングセンター(MC)「DMU50」と立型MC「DMP」を生産する。投資額は未定。生産性向上に必要な製造支援アプリケーションを作業員が簡単に作成できる独自システム「チューリップ」も活用し、作業効率の向上や工程改善につなげる。
同生産ラインは、仕掛かり中の工作機械を乗せたAGVが組み立てやカバー取り付け、品質検査などの各工程をゆっくり進み、人が各作業を行う仕組み。機械本体が移動するため、人が動き回らずに済み、生産性を大幅に高められる。
またチューリップを使うことで、作業員がそれぞれの仕様で作業指示書や品質管理などの機能を持つアプリを簡単に作成できる。複雑な工程をアプリで効率化することで、作業の円滑化や人的ミスの発生防止につなげる。
既にフロンテン工場ではAGV活用ラインとチューリップを連携した生産方式のモデル工場を設け、小・中型部品加工向け5軸MC「モノブロックシリーズ」を20年9月から生産している。従来の生産方式では10日を要していた1台当たりの生産日数を7日間に短縮し、年間生産能力を従来比400台増の1000台に高めた。
こうした成果を踏まえ、同工場で22年末ごろをめどに同ラインで大型部品や重量品の加工に適した5軸MC「デュオブロックシリーズ」の生産も始める。