DMG森精機の今期、2度目の上方修正 工作機械の回復鮮明
工作機械メーカーの業績回復がより鮮明になっている。DMG森精機は、2021年12月期連結業績予想(国際会計基準)について、5月に続いて2度目となる上方修正を行った。牧野フライス製作所やファナックも22年3月期連結業績予想を上方修正しており、中国のほか欧米やアジアなどでの需要拡大が顕著になっている。
DMG森精機は21年12月期予想で、売上高が5月公表比200億円増の3650億円(前期比11.2%増)、営業利益が同60億円増の200億円(同87.4%増)、当期利益が同50億円増の110億円(同6.3倍)を見込む。受注が半導体や電気自動車(EV)関連向けを中心に好調で、下期(7―12月期)も「少なくとも今のペースは続く」(森雅彦社長)とみる。受注高は同200億円増の4200億円(同50.2%増)となる見通し。
新たに発表した21年1―6月期連結決算は、営業利益が前年同期比4.2倍の102億円と大幅に伸びた。機械の販売数量増加などの効果に加え、為替が対ユーロで円安に振れたことも利益を押し上げた。受注額は同61.2%増の2184億円で、コロナ禍前の19年1―6月期の水準(2234億円)に回復。中国が同2.3倍、欧州が同2.1倍と大きく回復し、米州や日本も堅調に推移した。業種別では半導体製造装置や金型、EV関連向け需要が伸びたほか、民間航空機関連でも引き合いが出始めているという。