DMG森精機、0.1ナノ半導体対応の切削液 工作機械と一括提供
DMG森精機と独FUCHSは、オングストローム世代と呼ばれる回路線幅0・1ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体を製造する装置の部品を、DMG森精機の工作機械で効率的に加工する切削液(クーラント)を開発する。高い加工精度が求められる同部品向けに、加工ノウハウを含め工作機械と切削液を一括して提供し、生産性や品質の向上に貢献する。
同5ナノメートルの半導体製造装置の部品加工で培ったノウハウも活用する。地政学リスクなどを背景に世界で高まる半導体製造装置需要に対応する。
半導体は製造工程ごとに装置が異なり、各装置の部品ごとに加工する工作機械も違ってくる。また部品ごとにアルミニウムやチタンなど素材も異なるため、加工条件を各素材に合わせる必要がある。
DMG森精機とFUCHSは半導体製造装置部品メーカーと共同で、部品ごとに最適な工作機械を選定し、加工条件や切削液を開発している。既に大手半導体製造装置メーカーが回路線幅0・1ナノメートルの半導体向けに開発する露光装置で、3社が加工に携わった部品のテストにも取り組む。
DMG森精機とFUCHSは、同5ナノメートルの半導体を製造する装置の部品を、DMG森精機の工作機械で効率的に加工する切削液を開発した。半導体への回路パターンの転写工程など、半導体製造装置で最も高い精度が求められる部品加工にも対応する。製造工程や部品の加工精度に応じて、加工工程の自動化や加工ノウハウを含めて工作機械と切削液を一括提供する課題解決策を2022年から欧州で展開している。
日本や欧米、中国、インドなどの政府は、自国での半導体の安定調達のため、半導体産業の強化を急いでいる。両社は半導体製造装置に特化した提案とともに、世界各国に展開するきめ細かなサービス体制を生かし、成長が見込まれる半導体需要に対応する。