DMG森精機、大型ワークを高精度加工 横型MC開発
DMG森精機は大型加工対象物(ワーク)の高精度加工用の横型マシニングセンター(MC)を開発した。高剛性と高い空間精度を兼ね備えることで、安定した高精度加工を実現する。価格は個別見積もり。建設機械や航空機、金型、自動車、エネルギー産業向けに、年間数台の販売を見込む。
新開発の「NHX10000マイクロプレシジョン=写真」は、最大ワークサイズが直径2000ミリ×1600ミリメートル、最大積載質量が5000キログラム。機械ストローク時の自重による変形の影響を算出して高精度に機械案内面の加工を行うとともに、すり合わせによる最終仕上げ工程により、空間精度15マイクロメートル以下(マイクロは100万分の1。従来機種は30マイクロ―70マイクロメートル)を実現した。
フルストローク時の真直度精度は6マイクロメートル以下。Y軸送り軸専用の冷却装置を追加し、熱源となる機器を機械本体から切り離したことで熱変位も低減した。
構造解析によりベッドの剛性を大幅に高めるとともに、3点支持構造により、長期での加工精度安定と据え付け作業時間の短縮が見込める。
また、主軸やワークへの接近性が向上。治具調整などの段取り替え作業の負荷を低減できる。クーラントタンク内の微細なスラッジを高効率に回収する装置を標準搭載し、清掃頻度を少なくでき、メンテナンスによる機械停止時間と費用を大幅に減らせる。