DMG森精機、工具交換を無人化 品質向上
DMG森精機は工具と工具保持具「ツールホルダー」の交換作業や計測工程の自動化に乗り出した。三重県伊賀市の伊賀事業所に独ハイマー(バイエルン州)の工具交換・計測セル「オートメーション・キューブ・ワン」を導入。これまで作業者が手がけていた同工程の完全な無人稼働を実現し、生産効率や安全性、品質をそれぞれ向上している。
オートメーション・キューブ・ワンは協働ロボットや直行ロボットなど全12の駆動軸で構成。まず加工後の工具が付いた状態のツールホルダーと新しい工具を並べた専用のパレットをコンベヤーで搬送し、ロボットに搭載されたカメラで工具データが記載されたICチップを読み取る。その後、ロボットで新工具をつかみ超音波で表面の被膜なども含めて洗浄した後、治具に移動して工具の長さや刃先の形状を測る。
次に複数のロボットでツールホルダーを焼きばめ装置に移して400度C以上に加熱し、使用済み工具を外して新工具に付け替え、冷却して工具長さなどを計測。10分の1ミリメートル単位で公差内にあることを確認して次の加工工程に回す。作業者はパレットに工具やホルダーをセットするだけで一連の工具交換、計測、計測データの工作機械との共有、管理までを自動化できる。
伊賀事業所では工作機械のベッドやサドルなどの鋳物部品の加工に使うエンドミルやリーマー、ドリルと各ツールホルダーの組み立てや計測に同セルを使い、生産効率を従来比約3割向上した。また工具の洗浄や焼きばめ装置を使った交換工程の自動化で、「刃先で手をけがしたり、やけどしたりする危険を回避でき、安全性を高めた」(DMG森精機のブルーメンシュテンゲル健太郎執行役員)。
品質面では焼きばめ装置で加熱したツールホルダーに触れることなく、ロボットで工具を押し込むことによる確実な装着を実現。超音波洗浄で工具被膜などの異物も取り除くことで、加工時の工具の振れを抑え、加工品質の向上や工具寿命の延長にもつなげている。
