DMG森精機、ソフト開発基盤の導入支援 製造現場DX推進
DMG森精機は自社工場でのデジタル変革(DX)のノウハウを生かし、製造業務支援ソフトウエア開発プラットフォーム(基盤)「TULIP(チューリップ)」の導入支援に乗り出す。チューリップは専門的なプログラミング技術が不要な「ローコード」でのアプリケーション開発が可能。チューリップの導入経験豊富な同社の生産技術者が、顧客のDXを支援する体制を構築し、2028年までに同基盤のユーザーを現状比6倍の約300社に引き上げる。
チューリップは工場の基幹業務システム(ERP)や製造実行システム(MES)と、現場の工作機械や計測機器、工具、既存システムなどをつなぎ、DXを実現する業務支援ソフト開発基盤。DMG森精機は伊賀事業所でチューリップを活用したDXを推進。現場に精通する生産技術担当者がアプリを開発し、現在は約1300ライセンスを稼働している。
例えば、伊賀事業所では約7000本にも及ぶ工具それぞれの寿命や所在、在庫などの情報を異なるシステムで管理し、各システムを確認しながら工具の選定や交換などの生産準備をしていた。チューリップの導入で、これらのシステムやERP、MESをつなぎ、データ活用のためのアプリを開発することで、工具情報の処理を自動化・効率化し、生産準備にかかる業務負担を大幅に削減した。
DMG森精機は、完全子会社のT Projectが手がけるチューリップの国内販売事業を、同じく子会社のテクニウムに統合する。
テクニウムは工作機械や周辺機器をネットワークにつなぎ、データの活用を支援するサービスなどを展開している。伊賀事業所でDXを推し進めたDMG森精機の生産技術者が、テクニウムとともに顧客の工場へのチューリップの導入支援体制を構築し、製造現場のDXや業務の効率化需要に対応する。