DMG森精機、ワーク計測の段取り効率化 新機能で作業最短2分
DMG森精機は工作機械で加工対象物(ワーク)を計測する際の段取り作業を効率化する機能を開発した。工作機械の操作画面で表示されるガイダンスに沿って座標などの必要項目を入力するだけで、計測プログラムを作成可能。これまで専用プログラムの作成が必要だった計測の場合、作業時間を従来比30分の1の約2分に短縮できる。ワーク形状の複雑化で高度な計測が求められる中、段取り作業を支援し生産性向上に貢献する。
新機能「Measuring Pro(メジャリング・プロ)」は、工程集約などを支援する製品群「テクノロジーサイクル」の一つとしてこのほど提供を始めた。対象は5軸加工機「INHシリーズ」などDMG森精機の工作機械5シリーズ。主軸に取り付けるオプションの機内計測装置「主軸タッチプローブ」を購入すれば無料で活用できる。
新機能では一般的なXYZ面の計測のほか、シャフトや回転軸位相の計測といった複雑な計測を含め、16種類の計測工程の効率化に対応する。ワークと工作機械の軸が平行になるよう調整する「平行出し」向けの計測では、専用のマクロプログラムの作成などで60分程度かかっていた作業を約2分で完了できるなど、段取り時間を大幅に短縮できる。
また補正値を自動入力する機能も盛り込み、安全で効率的な補正作業を支援する。
軽量化を目的に複数の部品を一つにまとめるなど、複雑な形状の加工需要が高まっている。それに伴い複雑で高度な計測が求められており、メジャリング・プロの投入で作業負担の軽減や作業時間の短縮を支援する。また新機能により、工作機械でワークを計測する加工と計測工程の集約を後押しするとともに、両工程の自動化で夜間などの工作機械の連続稼働を支援し顧客の生産性向上に貢献する。