フタバ産業、DX加速 タブレット・3Dシミュレーション活用
フタバ産業は生産現場のデジタル変革(DX)を加速する。幸田工場で運用しているタブレット端末から即時に生産情報を把握できるシステムを6月以降、他工場に展開する。また2022年半ばをめどに岡崎工場で立ち上がる生産ラインを対象に、ライン設計で3次元(3D)シミュレーションの活用を検討する。一連のDXにより、25年度に工場の間接工数の現状比半減を目指す。
フタバ産業は排気系部品やボディー部品を手がけるトヨタ自動車系部品メーカー。国内や中国の工場を中心に生産管理の効率化を狙い、生産実績を入力するタブレットの導入を進めてきた。
排気系部品を手がける幸田工場の一部ラインでは、タブレットと生産設備をシステム上でつなぎ、作業者がタブレットから設備の稼働状況や生産実績をリアルタイムで把握できるようにしている。適正在庫の管理などに役立てている。6月以降には幸田工場内で導入を拡大するほか、国内各工場に展開する方針だ。
岡崎工場で手がけるボディー部品の新規ラインの設計では、3Dシミュレーションを活用する考えだ。仮想空間で設備の配置などを検証できるため、工場内レイアウトの最適化を図れる。工場内物流の効率化にもつながるとみる。22年半ばに立ち上がる車種向けの生産ラインを対象に導入を検討する。
従来は紙の図面上で工場内物流や作業者の動線を検討してきた。実際に設備を導入して問題点が見付かり、やり直し作業が必要となることが多いのが課題だった。