明和eテック、微小ミスト捕集可能なフィルター装置開発 工場内排気に対応
明和eテックは、従来は難しかった直径1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)未満の微小なオイルミストを捕集できるフィルター装置を開発した。年内に発売する。加工機から出る微小なオイルミストを99%以上捕集し、室内排気が可能になる。ダクト設置コストが最大で半減できるという。主力顧客である自動車関連を中心に、工場向けに売り込む。
グループ会社のメックインターナショナルが開発、販売する。新製品の「ナノメック」は、フィルターにナノファイバーを採用した。一般的なサイクロンフィルター装置では難しい、直径0・3マイクロメートルのミストを捕集できる。
オイルミストの捕集率を従来の90%程度から、99・7%まで高めた。空気の浄化度が高く、一般的に室外に向けて行っていた排気を、工場内で完結できる。
加えて目詰まりしにくいフィルター構造を採用し、寿命を数カ月から1年に延ばした。メッシュ状の土台にナノファイバーを吹き付けた構造で、吸着したミストが一定程度たまると、液状になりフィルターから自然にはがれる。ランニングコストの低減が見込める。
オイルミストだけでなく、粉じんや、溶接時に発生する金属の細かい粒子などにも対応する。すでに顧客の工場にテスト導入し、性能の最終評価を始めた。工場の作業環境向上を訴求し、採用拡大を目指す。