“世界一”の国際金属加工見本市「EMO」がインダストリー4.0の故郷で開催
ドイツの展示会運営会社ドイツメッセとそのパートナーである日本能率協会は東京都内で記者会見を開き、工作機械メーカーなどが出展する国際金属加工見本市「EMOハノーバー2017」(同年9月18~23日、ドイツ・ハノーバー)の概要を説明した。
EMOは欧州で奇数年に開催されている国際金属加工見本市だ。2015年のEMOはミラノで開催されたこともあり、EMOハノーバーは前回の2013年から4年ぶりとなる。
会見には、EMOハノーバーを主催するドイツ工作機械工業協会(VDW)で専務理事を務めるヴィルフリート・シェーファー氏が登壇した。シェーファー氏は、「EMOハノーバー2017は、インダストリー4.0、IoT(モノのインターネット)をテーマに、デジタル化、ネットワーク化をバリューチェーン全体に行き渡らせることに主眼を置いた展示会になる」と語る。
開催規模も前回の2013年以上になる見込みで3月中旬時点の出展社/団体数は、2013年の1868に対して2017年は4.5%増の1953。このうち約90が日本からの出展だ。2013年の最終的な出展社/団体数は2131であり、2017年はこの数字を上回ることは確実だという。また、EMOハノーバーは全来場者の42%がドイツ国外から来ており、国際色豊かなことも特徴の1つ。
日本からの出展社を代表して会見に登壇したオークマ 取締役 海外本部 本部長の山本武司氏は「EMOハノーバー2017は約14万人の来場者数を見込んでいる。2016年のIMTSの来場者数が11万5000人ということなので、世界一の工作機械展示会と言っても過言ではない。120周年を迎える当社は現在、進化したスマートファクトリー『DS2』を建設中。このDS2の技術などを基に、多品種少量/変種少量かつ高安定な生産を実現しつつ、AI(人工知能)活用、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の活用も視野に入れた、付加価値の高い製品を欧州でアピールする絶好の機会になる」と述べる。
ドイツメッセ 理事のオリバー・フレーゼ氏も「2011年の『ハノーバーメッセ』でインダストリー4.0が発表された場所であるハノーバーは、インダストリー4.0の故郷。そのハノーバーで開催されるEMOハノーバー2017は、製造分野におけるインダストリー4.0の中核を成すイベントといえる」と強調する。
インダストリー4.0、IoTに加えて、2016年のIMTSやJIMTOFと同様に付加製造(Additive Manufacturing)に注目が集まりそうだ。「切削加工とのハイブリッド機をはじめさまざまな提案が行われており、今後本格的に採用されていく可能性がある。EMOハノーバー2017ではその最先端の技術が見られるだろう」としている。