エンシュウ、横型MC中国生産検討 コスト減・リードタイム短縮
エンシュウは中国・青島市の工場で、主軸40番台の横型マシニングセンター(MC)の生産開始について検討を始めた。早ければ2024年中にも始めたい考え。「基本的に地産地消」である中国市場に向けて、現地生産によりコスト競争力向上やリードタイム短縮を図ることで、市場を深耕する。
エンシュウは中国で主軸30番台と40番台の立型MCを生産しているが、同型機種は現地メーカーとの競争が激しくなっている。ただ横型MCは現状でも日本製に優位性があると見て、現地生産の検討を進める。
中国では自動車メーカーが自前で工作機械や周辺装置をシステムアップする事例が増えており、エンシュウが得意とする部品の量産加工用ラインの受注が伸び悩んでいる。そのため自動車業界向けであっても、ライン一括以外の商談を増やすために機械単体の製品群の拡充が必要になっていた。
横型MCの現地生産に伴い、日本国内と同様に汎用機の販売体制も強化する。
中国に限らず市場性や価格帯を考慮してタイやベトナムの工場の活用を進める。22年に発売した小型MC「セービングセンタ」シリーズの2機種は、23年10月に日本からタイ工場での生産に切り替えた。今後タイ工場は拡張も視野に入れる。
一方で、5軸加工機などの付加価値の高い商品は引き続き日本国内で生産する。