ジェイテクト、EPSに次世代ライン 前工程を自動化
ジェイテクトは電動パワーステアリング(EPS)の生産で、ロボットとIoT(モノのインターネット)を駆使した次世代ラインを構築した。シャフトやギアの加工から組み付けまでの前工程を自動化したほか、センサーなどを用いてライン全体の状況を把握できるようにした。まず1ラインから始めて順次広げる。将来の労働人口減少を見据え、生産ラインの自動化と業務のレベルアップを急ぐ。
EPSの生産を担う奈良工場に導入した。投資額は数千万円規模。垂直多関節ロボット6台を使い、ウオームシャフトやリダクションギアを加工し、ハウジングサブアッシーの組み付けまでを自動化した。生産性を維持しながらラインの従業員を3人減らした。既存ラインに後から組み込めるため、他のラインでも展開しやすい。
次世代ラインにはネットワークでつないだ情報表示画面「e―GL管理ボード」を設置する。従来は安全や品質、生産に関する手書きの管理ボートを使っていた。新たなボードで各設備の稼働状況などを把握するほか、電流値の異常などを検知して故障を未然に防ぐ。18年度から奈良工場の他のラインを順次次世代ラインにシフトし、他工場に広げることも検討する。
ジェイテクトはEPSで世界首位。生産ラインの自動化を推進しており、今回の取り組みもその一環となる。また、ロボットの導入に伴い、例えばライン長はロボット関連の技能を身につける必要がある。製造や保全、製造技術、生産技術といった担当者が、それぞれワンランク上の仕事を担う人材育成にも着手している。