エスペック、バリ取り・研磨自動化 協働ロボ活用
エスペックは環境試験装置のマザー工場である福知山工場で、協働ロボットなどを活用した作業の自動化を進める。このほど試験装置外装材の溶接後のバリ取りや研磨加工用のロボット1台を本格稼働し、年間279時間分の人手作業を自動化した。外装材の配置や入れ替えといった前後工程の自動化も検討する。今後、人工知能(AI)などの活用を視野に入れ、多品種の外装材への適用を進めて人材不足対策に生かす。
協働ロボットを導入したのは、福知山工場で板金加工を担う第1工場棟。外装材のバリ取りや研磨工程は従来、重いエア工具を使って人手で作業しており、長時間の作業は負荷が大きかった。自動化により、人手の作業負荷を軽減する。
同工場ではすでに加工、組み立て後の内外装材と冷凍機モジュールを、別の工場棟にある組み立て工程に搬送するために無人搬送車(AGV)2台を導入済み。冷凍機モジュールの気密試験では、圧力センサーによる自動合否判定を採用し、人による判定のバラつきをなくすなど作業の自動化を進め、働きやすい環境を整備している。
環境試験装置の標準品は複数のユニットを組み合わせて製作するが、各ユニットは数十から百数十種類あり、製品仕様は数十万通り以上に及ぶ。
そのため生産工程の全てを自動化することは難しいが、「人の技能が必要なところに人材を配置できるよう、それ以外の部分は自動化していく」(末久和広取締役常務執行役員)とする。