世界の車大手、EVシフト加速 日本勢も急ピッチで対応
世界の大手自動車メーカーが次世代環境車の開発で、ディーゼル車などから電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)に軸足を移す動きが加速している。
スウェーデンのボルボ・カーが2019年以降に発売する全車種を電動化する方針を表明。各国で燃費規制が厳しくなっているほか、電池の性能向上で1回の充電で走れる距離が短いという弱みが克服されつつあることが背景にある。
国内の自動車メーカーも電動化への対応を急ピッチで進めている。いち早くEV開発に取り組んできた日産自動車は「電動化への熱意はわれわれが一番強い」と強調。
今年中にEV専用車「リーフ」を初めて全面改良する。走行距離を大幅に延ばしてデザインも刷新し、主力車種に育てる方針だ。
ホンダは昨年10月、EVを動力系統から車体まで一貫して手掛ける「EV開発室」を発足させた。今月3日には日立製作所グループとEV用モーターを開発する会社を設立するなど、攻めの一手を矢継ぎ早に打ち出している。30年に世界販売の2/3をPHVや燃料電池車を含む電動化モデルにする目標を掲げる。
トヨタ自動車は当面、PHVを「エコカーの大本命」と位置付けるが、EV開発でも昨年12月に社長直轄の組織を設立するなど「全方位」で取り組む。50年までに内燃機関のみで走る車の販売をゼロに近づける方針だ。