日本電産マシンツール、EV歯車高精度仕上げ 面取り盤と専用工具発売
日本電産マシンツールは、電気自動車(EV)用歯車加工向けに切削面取り盤と専用工具を発売した。EV用歯車の仕上げ工程に対応した高精度な面取り形状を実現する。ホブ盤など既存の歯車機械の新たなラインアップとして追加し、今後成長が見込まれるEV用歯車の市場を深掘りする。
切削面取り盤「CF26A」は、歯車を高精度に仕上げるために面取り部(角部)を切削で除去する装置。価格は1980万円(消費税抜き)。2023年3月期に10台の販売を目指す。
従来は歯車の両端面の角部を用いて転造によって取り除くフレージング加工が主流だが、歯面・端面方向に盛り上がりやバリ残りが発生することが課題となっていた。
新製品は、ネジ状の工具を使って工具と被削歯車の同期運動によって形状を作り出す創成法を採用。切削加工で面取り部を除去するため、フレージング加工を上回る面品位を得られる。
フレージング加工後の2次バリの発生を抑えられ、前工程のホブ加工で生じる端面バリの除去も可能。フレージング加工で難しかった歯底部分の面取りや1ミリメートル以上の大きな面取り幅にも対応する。
専用工具の「エッジカット」は最新の工具設計シミュレーションを用いることで、実加工時に狙い通りの面取り形状を確保できる。長寿命で工具交換頻度が少なく、再刃付やリコートも可能なため工具のランニングコスト削減も見込める。