冨士ダイス、新合金開発 耐摩耗性が鋼の4倍
冨士ダイスは汎用超硬合金と同等で鋼の4倍の耐摩耗性を持つ新合金を開発した。ニオブ炭化物を主成分とし、金属部分の摩耗を極力抑制する材料設計と、通常焼結技術を用いた結合剤の最適制御により、混錬工具対応と粉砕工具対応の両条件下で優れた耐摩耗性を実現した。回転工具や混錬工具など向けに売り込み。
開発した新合金「サステロイ STN30」を10月から発売し、試作受け付けを始めた。汎用的な超硬合金に比べて耐食性を高めた。10%濃度の塩酸の場合、多少の腐食は見られたが、同濃度の水酸化ナトリウムと3%濃度の塩化ナトリウムの場合はほぼ腐食がないことを自社試験で示した。
また、超硬合金の約5分の3と鋼程度の比重のため、回転工具に使うと、装置への負荷軽減による電力削減などが見込める。研削加工性は汎用の超硬合金と同等で、放電加工もできる。
冨士ダイスは地政学リスクに影響されない安定供給を目指し、産出地が偏在するレアメタル(希少金属)の使用を抑えた合金開発を進めている。23年に超硬合金の主原料であるタングステンとコバルトの含有量を約9割削減した合金「サステロイ ST60」を開発し、発売。レアメタルを約9割削減という特長を生かしながら、今回、材料設計の見直しなどにより、局部的な摩耗にも耐えられるようにした。
