富士通、3Dツール・VRシステム刷新 よりリアルに製造現場検証
富士通がデジタル技術を活用したモノづくり支援の取り組みを強化する。製造現場での作業手順や設備の動作を仮想空間でシミュレーションできるツール「COLMINA(コルミナ)VPS GP4」と、仮想現実(VR)システム「同 Xphere(クロスフィア)」を刷新し発売した。デジタル空間上の表現力を高め、シミュレーション機能を強化した点が特徴だ。最新版2種を含むVPSシリーズで今後3年の間に2500ライセンスの販売を目指す。
VPSシリーズは電機・精密や工作機械、半導体製造装置、自動車、鉄道などで1072社に7063ライセンスが採用された実績を持つ。最新版2種の価格はGP4が400万円から(消費税抜き)、クロスフィアが320万円から(同)。
GP4は工場の設備や人の動きを3次元(3D)のデジタル空間に再現して、工程検討を行うツール。これまでは設計データなどを基に再現していた。最新版ではレーザーによるスキャン技術によって壁や柱などの実際の物体をデータとして取り込む機能を追加し、現実に近いシミュレーションを可能にした。
さらに生産ラインの作業者同士の衝突を防ぐ干渉チェック機能も強化。人と人がぶつかった部分をマーカーで表示し、ぶつかった回数や時間帯も記録することで、作業品質を評価しやすくした。