FUJI、工作機械を部品から一貫生産 中国で年内開始
FUJIは中国で工作機械の部品からの一貫生産に乗り出す。第1弾として、正面2スピンドル旋盤を改良した新製品「CSD300II」の一貫生産を2019年内に開始する方向で準備を進めている。中国での部品の輸入関税を軽減するほか、生産ラインを一括で提案・納入するターンキー(設備一括請負)としての現地での対応力を強化する。今後さらに拡大が見込める自動車部品加工などの需要を取り込む。
工作機械を一貫生産するのは生産子会社の昆山之富士機械製造(江蘇省昆山市)。これまで同工場では、工作機械はユニットの組み立てやオプションの追加、複数台をつなぐライン化が中心だった。
同生産子会社には、別事業部のクリームハンダ印刷機を部品から一貫生産してきた長年の実績がある。工作機械の部品は既存設備で加工し、治具などを除いて新規の大がかりな設備投資は行わない。
CSD300IIは量産部品の加工に適した機種。門型の3軸ロボットチャックを持つ。加工対象物(ワーク)の出し入れなどの駆動速度を高め、前モデルに比べて全体の加工時間を15%短縮した。ベッド形状の最適化で剛性を高めて品質も向上させた。操作性を高めるとともに、IoT(モノのインターネット)への対応も容易にした。同機種は日本でも20年1月をめどに受注を始める。価格は前モデルと同等にとどめる。