工具 “自販機式” で管理 イノテックが一元化システム
イノテックは、工場で使う切削工具の管理を一元化するシステムを8月末に発売開始した。自動販売機に似た機能を持つキャビネットに工具を収納し、使ったり補充したりした数や在庫数を情報システムで一元管理する。価格は消費税抜きで350万円。
発売するスマートキャビネット「Pシリーズ」は、1台に90種類、1種類当たり16ケースの工具を収納可能。ICカード、または顔認証か虹彩で使う人を認証する。認証後、欲しい工具をタッチパネルで選べば、工具を乗せたスプリング状の部品が回転し、取り出し口に工具ケースを落とす。
管理する工具を増やすには別途、引き出し収納式の子機を追加できる。引き出し型は290種類の工具を保管可能で、工具をケースから取り出して再度収納できる。工具の管理単位をケースごとから、より精密な単品ごとにすることができる。
工具の在庫データはオフィスの情報システムに収集。工場のどこにどんな工具があるかや、過剰在庫や品切れなどを容易に把握できる。製造業者が自社工場の工具を管理するのに加え、機械工具商社が客先に設置し、客が使った分の価格を請求したり、適切に補給したりする使い道も考えられる。
中国の切削工具メーカー、成都成林数控刀具(キロウッド)が開発したが、どのメーカーの工具でも管理できる。イノテックは19年にキロウッド製品の日本での販売総代理店契約を締結。スマートキャビネットも自社の工場で同年から使用を始め、日本でも使いやすいように改良し、今回外部に販売する。