工作機械4社、10月受注12.9%増 5カ月連続増で全社プラスに
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の10月の工作機械受注実績は、前年同月比12・9%増の327億4600万円だった。
5カ月連続で増加し、全社がプラスとなった。前月比は0・3%減と3カ月ぶりに減少した。地域や業種、企業ごとに設備投資の動きが異なり、まだら模様の受注環境が続いているようだ。
4社合計の輸出は前年同月比12・2%増と2カ月連続で増加。国内は同14・6%増と3カ月連続で増えた。
オークマは受注総額が同3・0%増と19カ月ぶりに増加に転じた。輸出は大手を中心に中国で電気自動車(EV)向けなどが、米国で航空・宇宙や車向けなどが堅調に推移。国内は半導体製造装置の消耗品関連向けで受注があり、「一般機械向けでも様子見していた設備投資に動きが出てきた」。
牧野フライス製作所は輸出が3カ月連続で増加。「中国で新エネルギー車(NEV)関連や一般機械向けの受注が伸び全体を押し上げた」。国内は4カ月連続で増加し、「低迷した昨年と比べ大幅に伸びた。半導体関連向けでは一部で動きが出ている」という。
中国市場に強いツガミは輸出が同26・0%増と2カ月連続で増加した。同社幹部は「各地で着実に事業を進められた。ただ市場全体の先行き不透明感は続いている」と見る。芝浦機械は国内外で受注が堅調に推移し、「中国で車載用カメラレンズ金型向けに超精密加工機などを受注した」。
10日まで都内で開かれた日本国際工作機械見本市(JIMTOF)では「3軸から5軸加工機への切り替えなど付加価値を高める製品への引き合いが多かった」との声も聞かれ、受注回復の追い風となるのか注目される。