工作機械4社、10月受注12%増 輸出堅調、国内低迷補う
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の10月の工作機械受注実績は、前年同月比12・1%増の367億1600万円と17カ月連続で増加した。14カ月連続で増加した輸出が同20・2%増とけん引し、5カ月連続で減少した国内の低迷を補った。輸出は底堅く、米州やアジアなど各社で好調な地域が分散し、全体を押し上げた。一方、国内では底打ち感も感じられ、状況を注視する展開が続きそうだ。
輸出ではオークマが前年同月比22・2%増と13カ月連続で増加。特に米国で大手企業を中心に航空宇宙、エネルギー、石油・天然ガス関連向けなどが伸びた。営業部では「ジョブショップ(部品加工を受託する中小製造業者)でも動きが出始めた。今後も続くか見守りたい」としている。
牧野フライス製作所は輸出が同7・5%増と2カ月連続で増加した。中国や米国で高水準の受注が続き、「韓国の自動車部品向けでまとまった案件があり、インドも堅調だった」。
ツガミは輸出が同31・2%増と6カ月連続で増加。主力市場の中国で車や半導体、電子機器関連向けなどの需要を取り込んだ。同社幹部は「ポリティカルリスクなどから全体の雰囲気は依然良くない」とし、不透明な先行きを注視する。芝浦機械は輸出が同微減となったが、北米で航空宇宙や建機向けに立旋盤、東南アジアで時計関連向けなどで超精密加工機を受注した。
国内は4社合計で同8・7%減となったが、期末効果があった前月比では6・0%減だった。芝浦機械は前年同月比6・0%増と堅調に推移。産業機械や造船関連向けで大型工作機械、「光通信関連や切削工具向けで超精密加工機を受注した」。
オークマは同13・6%減と5カ月連続で減少したが、航空宇宙や船舶、エネルギー関連向けなどが増加。「大型案件の受注が続くが、中小製造業で商談が増えるなど底打ち感も感じられる」とした。
