工作機械4社、11月16%増 大手中心に受注堅調
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の11月の工作機械受注実績は、前年同月比16・4%増の345億2900万円と6カ月連続で増加した。前月比は5・4%増となり、2カ月ぶりに増加した。地域ごとに差はあるが大手企業を中心にまとまった受注がある一方、中小企業では設備投資の様子見が続くなど、市況はまだら模様と言えそうだ。
4社合計の輸出は前年同月比13・9%増と3カ月連続で増加。国内は同23・1%増と4カ月連続で増えた。
牧野フライス製作所は輸出が前年同月比で4カ月連続で増加。「中国で新エネルギー車(NEV)関連向けの大口受注が下支えした」。米国は微増だったが、航空機向けが堅調に推移。「米ボーイングのストライキによる受注への大きな影響はない」という。
オークマも輸出が2カ月連続で増加。大手を中心に中国でNEVや半導体関連向けで動きがあり、「米国で航空宇宙やエネルギー分野向けが比較的堅調だった」。
中国市場が主力のツガミは輸出が前月比15・0%増と3カ月連続で増加した。同社幹部は「前月比で8月から受注が上向くのは通常の動き。11月は堅調だったが、先行きの不透明感は続いている」と慎重な見方を示す。
国内では芝浦機械が前年同月比で4カ月連続で増加した。造船関連や産業機械、輸送関連向けで横中ぐり盤を受注するなど「大型工作機械の新規や大型特殊機のレトロフィットが受注を底上げした」。
牧野フライス製作所は国内が2カ月連続で前年同月比30%以上の増加となったが、「受注が低迷した2023年との比較で大きなインパクトはない」と受け止める。
オークマは国内が4カ月連続で増加。大手や中堅企業で業種を問わず堅調に推移したが、「欧米や中国と同様に日本も中小企業の受注が本格的に回復していない」とした。