工作機械4社、12月受注13%減 10カ月連続マイナス
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の2023年12月の工作機械受注実績は、前年同月比13・9%減の299億300万円となり、10カ月連続で前年を下回った。
一方、前月比は0・8%増と2カ月連続で増加した。欧米での金利高や景気の先行き不透明感などから設備投資の様子見が続くが、顧客によっては計画通り投資を続ける動きがあるようだ。
4社合計の国内は前年同月比20・1%減と、14カ月連続で減少。輸出は同11・4%減と4カ月連続でマイナスとなった。前月比では国内が0・3%減と2カ月ぶりに減少し、輸出は1・2%増と2カ月連続で増加した。
国内では大手企業で設備投資を計画通り進める傾向がある一方、「中小企業では様子見が続いている」。
海外では牧野フライス製作所が「22年12月は比較的良かった中国の自動車向けの需要が減少した影響が出ている」という。中国市場に強いツガミは「どこも景気は良くない。全体的に受注の調整局面が続いているが、底が割れる感触ではない」としている。
芝浦機械は北米で航空機関連向け、インドでエネルギー関連向けに大型工作機械などの受注が増加した。一方、「国内では金型向けの大型機、中国で車載用カメラレンズ金型向けの超精密加工機の受注減などが響いた」。
23年暦年の工作機械受注実績は前年比11・5%減の3700億2900万円だった。特に国内が同21・7%減の1064億8100万円と振るわなかった。輸出は同6・6%減の2635億4800万円だった。
オークマは輸出が同0・8%増の1088億8500万円と過去最高を更新した。23年6月以降は受注の調整局面が続いたが、「米国や中国で電気自動車(EV)向けなどの受注が下支えとなった」。牧野フライス製作所は「半導体製造装置向けなどが好調だった22年上期と比べると23年は受注が減少した。ただ中国でのEV向けや米国での航空機向けなどの受注を積み重ねた」としている。