工作機械4社、12月受注19%増
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の12月の工作機械受注実績は、前年同月比19・5%増の357億2800万円と7カ月連続で増加した。全社で輸出がプラスとなった。地域ごとに差はあるが大手企業を中心に設備投資を計画通り進める動きがある。一方で中小など一部企業では様子見の姿勢も見られ、まだら模様の市況が続いているようだ。
4社合計の輸出は同16・5%増と4カ月連続で増加し、国内も同27・7%増と5カ月連続で増えた。
牧野フライス製作所は輸出が前年同月比で5カ月連続で増加した。「中国で新エネルギー車(NEV)関連向けが伸びたほか、一般機械向けも増加した」。
オークマも輸出が3カ月連続で増加。米国で航空宇宙やエネルギー関連向けが堅調だったほか、中国ではNEVや半導体関連向けで一部設備投資の動きがあった。ただ「全体的に様子見の方が強い」とし、米国や中国で設備投資が活発化する動きには至っていないとみる。
中国市場が主力のツガミは輸出が同41・9%増と4カ月連続で増加した。同社幹部は「不透明感が続く中で堅調に推移した」と慎重な見方を示した。
国内では芝浦機械が同2・3倍で5カ月連続の増加。造船関連や産業機械、建設機械向けで横中ぐり盤など「大型の工作機械が大幅に増加した」。超精密加工機でも半導体や光通信関連向けが増え、受注を押し上げた。
また4社の24年暦年の受注実績は、前年比1・0%増の3738億200万円だった。うち輸出は同1・4%増の2673億2500万円となり、国内は前年並みの1064億7800万円だった。
牧野フライス製作所は同1・6%増と2年ぶりに増加。「中国でNEV関連向けを中心に受注を伸ばしたほか、米国などで航空機向けが堅調に推移した」。
25年の受注環境については「老朽化更新の需要も見込まれ、人手不足を背景に自動化などのニーズが広がれば」(オークマの営業部)との声も聞かれ、年後半からの本格的な回復に期待が集まる。