工作機械4社、1月受注13%減 11カ月連続マイナス
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の1月の工作機械受注実績は、前年同月比13・7%減の259億1000万円となり、11カ月連続で前年を下回った。前月比は13・4%減と3カ月ぶりにマイナスとなった。景気の先行き不透明感などから設備投資の様子見が続くが、顧客によっては計画通り投資を続ける動きがあるようだ。
4社合計の輸出は前年同月比6・3%減と5カ月連続で減少。国内は同27・9%減と振るわず、15カ月連続でマイナスとなった。
牧野フライス製作所の全体の受注実績は同2・9%増と9カ月ぶりに増加に転じた。ただ前月比は17・3%減と4カ月ぶりに減少するなど「市況に大きな変化はない。一部の顧客で継続的な設備投資があった」(経営企画室)と受け止める。輸出は前年同月比2ケタ増となり、中国以外の地域で増加した。
ツガミも全体の受注実績が同7・4%増と13カ月ぶりに増加にした。同社幹部は「中国で春節(旧正月)休暇前の駆け込み需要はなかった。市場に変化はなく、全般的に受注の調整局面が続いている」との見方を示した。
オークマは米国で航空、宇宙、電気自動車(EV)関連向けの受注が堅調だったが、「(裾野が広い)一般機械向けで広がるにはもう少し時間がかかる」(営業部)と見る。
芝浦機械は国内のエネルギー関連向けなどで大型機、カメラレンズ金型向けで超精密加工機が増加した。一方、産業機械向け大型機が減少するなど「中国向けが低調だった」(広報・IR部)。
半導体関連需要では「米国で先行的な投資の動きがあった」(牧野フライス製作所経営企画室)。ただ市場全体をけん引するほどの規模ではなく「24年後半の回復期に期待したい」(別の工作機械メーカー幹部)との声が聞かれる。