工作機械4社、1月受注15%増 全社が輸出大幅伸長 本社調べ
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の1月の工作機械受注実績は、前年同月比15・0%増の298億500万円と8カ月連続で増加した。輸出が同20・1%増と大幅に伸び、2カ月続けて全社がプラスとなった。ただ地域や業種、企業規模で設備投資の動きに違いがあり、まだら模様の市場環境が続いているようだ。
オークマは輸出が同19・9%増と4カ月連続で増加した。欧米は減少したが、「中国で電気自動車(EV)向けなど大手を中心に伸びた」。
中国市場が主力のツガミは、輸出が同26・8%増と5カ月連続で増加し堅調に推移した。一方、前月比は25・3%減と2カ月連続で減少し、中国で1月下旬に始まった春節に伴う連休の影響もみられた。同社幹部は「今後も同様の市況が続くとみるが、米トランプ政権の関税政策や地政学リスクなどもあり、先行きへの不透明感は依然として払拭できない」との見方を示した。
牧野フライス製作所は輸出が前年同月比10・8%増と6カ月連続で増加したが、前月比は18・4%減と2カ月連続で減少した。中国で春節の影響もみられるが、「前年同月比は過去の水準と比べても悪くはない。部品加工や新エネルギー車(NEV)向けが堅調に推移するなど、急激に悪化しているとは考えていない」。
芝浦機械は輸出が前年同月比66・7%増と2カ月連続で増加。中国やインドで産業機械向けなどに大型の工作機械を受注し、「中国では液晶関連や車載装置向けで超精密加工機の受注が増加した」。
国内は大手を中心に引き合いはあるが、「半導体製造装置関連や自動車向けの回復にはもう少し時間がかかる」との声も聞かれる。