工作機械4社、2月受注21%減 12カ月連続マイナス
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の2月の工作機械受注実績は、前年同月比21・3%減の251億3500万円となり、12カ月連続で前年を下回った。前月比は3・0%減と2カ月連続のマイナス。全体的に設備投資の様子見が続くが、一部で受注回復の兆しを感じさせる動きも出てきたようだ。
4社合計の輸出は前年同月比21・5%減と6カ月連続、国内は同20・9%減と16カ月連続でそれぞれ減少した。
牧野フライス製作所は輸出が同3・7%増と2カ月連続で増加したが、前月比は5・1%減少した。同社では「前年の受注が下がったこともあり、大きな変化はない」と見る。そのうち中国向けは電気自動車(EV)など新エネルギー車(NEV)関連の受注が堅調だったが、金型向けなど「NEV以外が落ち込んだ」。
ツガミは輸出が前年同月比31・8%減と2カ月ぶりに減少。中国向けが2月中旬の春節で営業日数が前年より少なかった影響を受けた。足元でインド向けと共に回復の動きも見られるが、同社幹部は「この動きが受注底打ちの兆しと判断するにはまだ様子を見る必要がある」と慎重な姿勢を示す。
オークマは国内が同30・6%減となったが、前月比は20・6%増と6カ月ぶりに増加に転じた。各地の自社展示会で5軸加工機や複合加工機など単価の高い機種の受注が増えた。中小企業では設備投資の様子見が続くが、半導体や自動車関連で今後の需要増を見越した投資が顕在化してきており、「国内では他の分野も含め回復の兆しのような動きが出始めているようだ」との見方を示した。
芝浦機械は国内が前年同月比55・7%増と2カ月連続で増加した。建設機械向けで大型工作機械、光学レンズ金型向けで超精密加工機などを受注したが、「海外向けは大型機の受注が減少し、全体で前年比微減となった」。