工作機械4社、2月受注35%増 3カ月連続で全社輸出伸長
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の2月の工作機械受注実績は、前年同月比35・9%増の341億5400万円と9カ月連続で増加した。輸出が同47・7%増と大幅に伸び、3カ月続けて全社がプラスとなった。設備投資を計画通り進める企業を中心とした底堅い需要に支えられる形で、2024年後半からの回復基調が続いているようだ。
牧野フライス製作所は輸出が同26・6%増と大幅に増加したが、「24年2月の受注は世界的に底だった」と慎重にみる。地域別では中国や米国が伸び、中国では電気自動車(EV)などの新エネルギー車(NEV)関連向けの受注が継続したほか、「金型向けでも回復傾向がみられた」。
オークマも輸出が同38・1%増と大幅増となり、中国でのEV向けの大型受注などがけん引した。欧米は微増とほぼ横ばいだったが、「欧州で全体的に需要の回復の兆しがみられる」という。
中国市場が主力のツガミは輸出が同68・6%増と6カ月連続で増加し、回復傾向が継続している。同社幹部は「数カ月は同様の需要環境が続く」とみる。
芝浦機械は輸出が同3・2倍と大きく伸びた。中国で車載用カメラレンズ向けに超精密加工機の大型受注があり全体を押し上げたが、「スポット的な動き」と慎重な見方を示す。横中ぐり盤などの大型工作機械では、北米で航空機やエネルギー関連向けが、国内では造船関連や金属加工向けなどが増加した。
4社合計の国内は同10・4%増と7カ月連続で増加した。大手を中心に計画的な設備投資が続くほか、半導体関連では消耗品向けなど一部で動きがみられた。一方、中小企業では人手不足を背景に「加工工程の集約や自動化による連続運転に関心が高まっている」と、本格的な受注回復に期待する声も上がる。