工作機械4社、4月受注15%増 輸出・国内ともに堅調
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の4月の工作機械受注実績は、前年同月比15・5%増の360億4600万円と11カ月連続で増加した。
輸出は同15・0%増の8カ月連続、国内は同16・9%増の9カ月連続でそれぞれ増加。設備投資を計画通り進める企業を中心に需要が堅調に推移する。米トランプ政権の関税措置で受注に大きな影響は見られないが、今後の動きが注目される。
オークマは輸出が同46・4%増と7カ月連続で増加した。中でも中国は大型機を中心に裾野が広い一般機械向けが伸び、「見積もりの件数もかなり増えている」。
牧野フライス製作所は輸出が同18・2%増と9カ月連続で増加。中国で新エネルギー車(NEV)や電子部品の金型向けが伸びた。ツガミは輸出が同9・2%減と8カ月ぶりに減少。ただ80億円超えの高水準を維持し、主力の中国市場で「自動車向けを中心に幅広い産業で堅調に推移した」。
米国ではオークマが航空宇宙やオイル・ガス、医療機器向け、牧野フライスも航空機向けを中心に受注が増加した。芝浦機械は関税政策の影響で不透明感が強まる中、「エネルギー関連や航空宇宙関連向けで立旋盤や横中ぐり盤を受注した」。
関税策の米国受注への影響についてオークマは「関税による様子見で受注を止める動きにはなっていない」、牧野フライスも「大きな動きはない。大手ユーザーを中心に設備投資を計画通り進めると考えている」と、今後の動向を注視する。
国内では芝浦機械が同18・4%増と3カ月連続で増加。金属加工や航空機関連、建機向けで大型工作機械、光通信関連向けなどで超精密加工機を受注した。オークマは同30・6%増と9カ月連続で増加。大手企業中心の設備投資の傾向は変わらないが、企業規模を問わず「半導体製造装置の一部や船舶、鉄道車両、航空機、食品機械向けなど裾野が広がっている」とした。