工作機械4社、6月8%増 中国で半導体向け伸長
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の6月の工作機械受注実績は、前年同月比8・1%増の352億900万円と13カ月連続で増加した。
輸出が同14・2%増と10カ月連続でプラスとなり、設備投資を計画通り進める企業を中心に全体を押し上げた。トランプ米政権の関税措置に伴う受注への影響は一部に留まっているようだ。
輸出は全社がプラスとなった。オークマは同22・1%増と9カ月連続で増加。中国で半導体や風力発電向けが伸び、「欧州では航空機や医療用機器向けが良くなってきている」。牧野フライス製作所は同14・4%増と11カ月連続で増加した。中国で新エネルギー車(NEV)向けが、インドでは自動車向けが伸びた。
芝浦機械は同2・2倍と大幅に増加。北米で鉱山機械や発電用タービン向けなど「石油・エネルギー関連向けに大型の工作機械が増加した」。中国は大型機以外に車載用カメラレンズ金型向けなどで超精密加工機も増えた。
ツガミは同1・4%増と2カ月連続で伸び、前月比でも20・5%増加した。同社幹部は「主要市場の中国で自社展示会を実施した影響で好調に推移したが、先行きは不透明なままだ」と述べた。
トランプ関税の米国受注への影響について牧野フライスは「買い控えなどの目立った動きはない」と認識。オークマは「ジョブショップなどで設備投資を様子見する動きはあるが、大手企業ではそれを上回って計画的に投資を進めている感覚がある」とした。
国内は前年同月比で全社がマイナス。微減の牧野フライスは半導体関連向けなどで動きはあるが、「全体で車関連向けの低迷が響いた」とみる。
1―6月期の4社合計の受注総額は前年同期比20・9%増となり、輸出、国内共に2ケタ超の増加となった。