工作機械4社、7月4.2%増 需要環境まだら模様
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の7月の工作機械受注実績は、前年同月比4・2%増の296億5500万円となり、2カ月連続で増加した。前月比は8・9%減と2カ月ぶりに減少した。地域や業種ごとにまだら模様の需要環境が続く中、受注回復への期待と先行き不透明感が混在する状況と言えそうだ。
4社合計の輸出は前年同月比6・6%増と2カ月連続で増加した。オークマは輸出が同1・3%増と11カ月ぶりに増加。欧米で航空機関連向けが堅調だったほか、「中国で大手を中心に電気自動車(EV)や一般機械向けで設備投資を計画通り進める動きがあった」(営業部)。牧野フライス製作所も「欧米で航空機関連、中国で新エネルギー車(NEV)関連向けなどが堅調に推移している」(経営企画部)という。
中国を主力とするツガミは輸出が同28・3%増と5カ月連続で増加し、堅調さを維持した。中東情勢など先行き不透明感が続く中、同社幹部は「夏季休暇を終えた9月以降に受注がどこまで上がるのか注視している」と慎重な見方を示した。
国内では牧野フライス製作所が同19・3%増と大幅に伸び、「2輪車向けでまとまった受注があった」(経営企画部)という。オークマは「半導体製造装置向けで秋以降の回復需要を見越した設備投資などが出ている」(営業部)とした。
芝浦機械は国内が同3・4%減と前年並みを維持した。「半導体関連向けで超精密加工機を受注した」(広報・IR部)ほか、航空宇宙関連向けで立旋盤、金型加工向けで門形マシニングセンターなどを受注した。
受注状況についてオークマは「1―2月を底に海外でのEVや航空機向けが下支えする形で回復に向かっている」(営業部)と見る。牧野フライス製作所は「欧州でドイツを中心に弱含みの動きが感じられるが、全体的には底打ちをして改善の兆しが見られ始めたのではないか」(経営企画部)とし、引き続き動向を注視する。