工作機械4社、8月受注1.9%増
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の8月の工作機械受注実績は、前年同月比1・9%増の305億4500万円と15カ月連続で増加した。輸出が同15・9%増と12カ月連続でプラスとなりけん引したが、国内は同28・0%減と3カ月連続でマイナスとなった。前月比では受注全体で2カ月連続で減少するなど夏期休暇の影響も見られた。米国との関税交渉については受注に目立った影響はなく、注視する展開が続く見通しだ。
オークマは輸出が前年同月比19・8%増と11カ月連続で増加。米国で航空宇宙やエネルギー関連向けなどが、中国では一般機械や半導体関連向けなどの幅広い業種で受注があった。ただいずれも大手企業が中心。「中国でも中小企業にあまり動きはなく、先行きへの不透明感などが影響しているのではないか」とみる。
牧野フライス製作所は輸出が同1・8減と13カ月ぶりに減少。中国では2024年に新エネルギー車(NEV)などであった部品加工向けのまとまった受注が剥落したが、「金型向けは増加している」。ベトナムでは電機電子などで金型向けが伸びた。
ツガミは輸出が同32・2%増と4カ月連続で増加した。主力市場の中国を中心に堅調に推移するが、同社幹部は「市場環境は良いとは言えず、先行きは依然不透明」と話す。
芝浦機械も輸出が4カ月連続で増加。北米やインド、中国のエネルギー関連向けなどで大型工作機械の受注が伸びた。超精密加工機は「東南アジアで車載用カメラレンズ金型向けを複数台受注した」。
国内では芝浦機械が同28・1%増と堅調に推移。大型機では造船や半導体関連、産業機械向け、超精密加工機では光通信関連向けなどで受注を伸ばした。一方、牧野フライス製作所は24年の車向けのまとまった受注が剥落。オークマも大型案件を取り切れず減少したが、「日米で自動車関税の方向性がまとまり、設備投資が動き出すことを期待したい」とした。
