工作機械4社、9月5%増 大手中心に受注堅調
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の9月の工作機械受注実績は、前年同月比5・8%増の328億3600万円と、4カ月連続で増加した。前月比は9・6%増と2カ月連続で増加した。米大統領選挙の行方や各国政策金利の動向など先行き不透明感が継続。主要市場では大手を中心に受注が支えられ、中小企業では設備投資の様子見が続いているようだ。
4社合計の輸出は前年同月比1・5%増と2カ月ぶりに増加。国内は同17・5%増と2カ月連続で増えた。
輸出では牧野フライス製作所が同25・1%増と2カ月連続で増加し、「中国の新エネルギー車(NEV)関連向けで一部顧客から大口受注を得るなど堅調に推移した」(経営企画部)。
ツガミは中国を中心とする輸出が同9・2%増と2カ月ぶりに増加した。同社幹部は「昨年が良くなかった。地政学リスクの高まりで設備投資の様子見が見られた」と振り返る。今後は「米大統領選など大型選挙を控え、不透明な状況が続く」と見る。
オークマは輸出が同10・8%減と2カ月連続で減少。米国では航空機や車向けで大手を中心に堅調も、「中小企業では様子見が続く」(営業部)。一方、国内は同8・9%増と2カ月連続で増加し、「1年前と比べ全体的に上がってきている」(同)とした。
芝浦機械は国内が同64・5%増と全体をけん引した。産業機械やエネルギー関連向けで横中ぐり盤、建設機械向けで立旋盤を受注。超精密加工機では「光学レンズや医療関連向けが増加した」(広報・IR部)。
4社の4―9月期の受注実績は前年同期比0・6%増の1863億5100万円とプラスを確保した。ツガミは同20・5%増と堅調に推移。同社幹部は「中国で2月の春節(旧正月)休暇に伴う反発の影響があった」とした。牧野フライス製作所は「昨年と比べ米国で航空機向けの受注が堅調だった」(経営企画部)という。