工作機械4社、9月受注12%増
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の9月の工作機械受注実績は、前年同月比12・1%増の368億900万円と16カ月連続で増加した。夏期休暇明けの動向が注目されたが、全社がプラスとなった輸出が同21・6%増と13カ月連続で増加し、全体をけん引した。トランプ米政権の関税措置については米国での受注に目立った影響はなく、注視する状況が続く。
牧野フライス製作所は輸出が同2・1%増と2カ月ぶりに増加。米国やインド、欧州で航空機向けが増えた。中国は前年の自動車部品向けのまとまった受注が剥落して減少したが、「車の金型向けが堅調だった」。オークマも輸出が同22・7%増と12カ月連続で増加した。米国で航空宇宙やエネルギー、石油・天然ガス向けが伸び、「車向けも動きが出てきた」。
ツガミは輸出が同28・6%増と5カ月連続で増加。主力市場の中国で乗用車メーカーごとに濃淡はあったが、「車向けを含め全体的に受注を積み上げた」。
芝浦機械は輸出が同4・1倍と大幅に増加した。特に中国では風力発電関連向けなどで大型の工作機械が伸びたほか、「スマートフォンカメラ向けなどで超精密加工機も増えた」。
4社合計の国内は同9・9%減と4カ月連続で減少。牧野フライスを除く3社がマイナスで「大手や中堅企業中心の受注が続いた」。
また、2025年4―9月期の受注総額は前年同期比11・5%増の2077億700万円だった。特に輸出は4―9月期ではオークマとツガミが過去最高を更新し、牧野フライスも過去10年間で最高となり、中国や米国を中心に受注を伸ばした。
