工作機械4社、9月受注18%減 7カ月連続マイナス 日本工業新聞社調べ
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の9月の工作機械受注実績は、前年同月比18・1%減の310億2300万円となり、7カ月連続で前年を下回った。前月比では3・7%増と2カ月連続で増加した。金利の引き上げやインフレの影響、景気の減速などを理由に設備投資の様子見が続くが、地域や顧客ごとに投資の動きも見られた。(総合1参照)
4社合計の国内は前年同月比30・4%減と、11カ月連続で減少。輸出は同12・4%減と2カ月ぶりの減少に転じた。前月比では国内が5・3%減と3カ月ぶりに減少したが、輸出は7・6%増と2カ月連続で増加した。
オークマは国内が前月比3・1%減少した一方、輸出は同13・9%増と堅調だった。国内や中国で設備投資を様子見する動きが見られたが、「航空機向けなどで欧米は強く、インドでは農機や一般機械向けといった幅広い産業で好調に推移した」。
牧野フライス製作所は、国内、中国、米国といった主要市場で受注に勢いがなかったが「インドは自動車向けを中心に前年を上回った」。芝浦機械は輸出が前年同月比10・0%増と4カ月ぶりに増加。超精密加工機で欧州でカメラレンズ向け、中国で車載カメラ向けを受注した。
ツガミは輸出が前月比12・6%増と2カ月連続で増加。同社幹部は主力の中国を中心とした市場環境について「調整局面が続いている。足元の状況からさらなる底割れの懸念は少ない」と見る一方、インドの受注は堅調で「設備投資は計画通り進める」とした。
今後について、牧野フライス製作所は欧米で航空機向けなどの受注回復に期待する一方、「短期では2022年の半導体製造装置向けのような全体をけん引する産業は見えていない」と認識。オークマは「24年から半導体関連向けなどが上がる見込みだが、いつ頃数字につながるか見守っている」と慎重に見る。
4社の4―9月期の受注実績は前年同期比13・5%減の1852億円と低調だった。