工作機械4社、昨年度受注11%増
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要4社の2024年度の工作機械受注実績は、前年度比11・4%増の3989億2400万円だった。3月単月は前年同月比36・5%増の456億1100万円となり、10カ月連続で増加した。地域や顧客ごとに異なるが、設備投資を計画通り進める企業を中心に受注が支えられ、国内では期末効果による押し上げも見られた。
24年度の受注総額は全社がプラスとなった。中国では政府による景気刺激策にも支えられる形で受注が回復し、欧米では航空機産業向けの需要が底堅く推移した。またインドでは「自動車や航空機向けの需要が堅調だった」(牧野フライス製作所経営企画部)ほか、国内では「週末などでの連続稼働を見据え、大型機や複合加工機が増えた」。
3月単月ではオークマが受注総額と輸出が単月として過去最高を更新した。中国では電気自動車(EV)や風力向けなどで大型機を中心に受注が増加。米国は航空宇宙やエネルギー関連産業向けが伸びたほか、「トランプ米政権の関税政策を見据えた駆け込み受注のような動きも一部見られた」。
牧野フライスは輸出が前年同月比で8カ月連続で増加した。中国で新エネルギー車(NEV)関連向けの受注が堅調に推移し、「欧州では航空機向けが増えた」。
中国市場が主力のツガミは輸出が7カ月連続で増加し、12カ月ぶりに100億円を上回った。中華圏では1月下旬から春節を祝う大型連休があり、同社幹部は「春節明けの反動も一部で見られた」と話す。一方、米国と中国が互いに関税を掛け合う展開については「米中問題の影響がないとはいえず、見方が難しい」と注視する。
国内では芝浦機械が2カ月連続で増加。横中繰り盤など大型機を中心に「建機、航空機関連、金属加工向けが増加した」。オークマも国内が大幅に増加し、「複数台を受注する単価の高い商談もまとめられた」という。