工作機械、変形予測し高精度維持 牧野フライスが新制御技術
牧野フライス製作所は、工作機械の消費電力削減や生産性向上に貢献する技術を開発した。温度変化で生じるわずかな機械変形を予測し、自動制御により高精度な加工を維持。厳密な工場空調機器がない環境でも消費電力を2013年比12%削減する。こうした環境に応じて制御を最適化する技術や省エネ機能をマシニングセンター(MC)「V33i」など7機種に搭載し、発売開始した。
温度による機械変形を予測して補正する制御技術「スタビライザー」では、工場環境の気温が9度C変化しても位置決めの誤差をプラスマイナス3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以内に安定できる。リングゲージなどの測定機器で、実際の使用下での温度と変位の関係を取得して分析し、最適な制御を実現する技術「オプティマイザー」も開発。高精度な加工などにも寄与する。
また油圧ユニットなど工作機械の補器類の運転を最適化し、消費電力を待機時と比べ30%削減する機能なども展開。