工作機械DX、着々と浸透ー1-
工作機械大手が顧客の加工支援や製品の長期稼働にデジタル技術やAI(人工知能)を活用する増え始めた。加工プログラムや見積もりの作成、製品の修理対応や安定稼働を支援する取り組みが広がる。「止まらない機械」の実現や製品単体にとどまらないサービス提供により、顧客の生産性向上を支援する。
・シチズンマシナリー
シチズンマシナリーは、旋盤の顧客企業が受注した部品加工の見積もり作成を支援する月額制のクラウドサービスを2025年7月に始めた。AIを活用し、顧客が過去に作成した図面や見積もりデータから類似の図面を検索して見積もりを作成できる。作成時間の短縮や精度向上が見込める上、浮いた時間をより付加価値の高い業務に充てることが可能とみる。
顧客企業は中小製造業、中でも自動車産業の中小サプライヤーが多い。こうした企業では社長ら一部の人間が見積もりを手書きで作成しており、見積もりにかかる負荷が課題になっているという。伊奈秀雄社長は「社長の頭に入っているものをクラウドに上げ、次の世代が使えるようにすることを支援する」と狙いを説く。高齢の社長も多い中で、属人化した部分をサービスで標準化すれば事業継続にもつながると見込む。
サービスに興味を持つ企業は増えているが、現状は導入に慎重なところが多いという。ただ、自社と顧客企業の関係性を強化する施策と位置付けており、将来の旋盤の更新時にサービスも導入してもらうケースを想定する。
