工作機械DX、着々と浸透ー3-
・DMG森精機
DMG森精機は工作機械の顧客向けポータルサイト「myDMGMORI」を18年から展開しており、同サイトで切削工具やクーラントを購入できるなど顧客の操業を支援してきた。サイトの機能拡充を進めており、25年10月には顧客の工作機械の修理依頼を同サイトで受け付けるようにした。
電話で受け付けるのに比べ、デジタル上に依頼内容を直接記録できる利点がある。顧客が工作機械の状況を写真や動画で撮影してデータを添付すれば、担当者が状況をすぐに把握でき、迅速な修理対応につながる。
修理対応の拠点が、国内最大の生産拠点である伊賀事業所(三重県伊賀市)の一角にあるMROセンターだ。修理復旧やスペアパーツ担当の西川拓樹執行役員は「70人のエキスパートが修理依頼を受ける」と体制を説明する。エンジニア出身など工作機械の技術に明るいメンバーだ。修理依頼内容に対応し、顧客に電話をかけるなどする。依頼内容の約7割はエキスパートが解決し、残りはエンジニアが顧客に出向いて修理する。
工作機械の日常的な安定稼働も支援している。DMG森精機は工作機械の稼働を止める要因として「加工3悪」と定義する切りくず、クーラント、ミストの対策製品・サービスを自社で手がける。クーラントは鋳物の加工時に粉のように細かい切りくずが混じった状態でクーラントタンクにたまるため、定期的な掃除が必要になる。工作機械はその間は稼働できない。
そうしたクーラントの使用量を抑える製品「アダプティブクーラントフロー」を1月に開発した。通常、クーラントは常に最大圧力の流量で使用するが、一部の用途では最大圧力でなくても済むことに着目。ソフトで使用量を制御するのが特徴だ。このソフトとクーラント装置で構成する製品だ。
切りくずを分断するには最大圧力が必要だが、加工対象物(ワーク)の加工面品位を良くする用途や切削工具の寿命を延ばす用途では最大圧力でなくても済むことが分かった。そこで使用する切削工具ごとに最適な流量を自動調整してクーラント装置から吐出できるようにした。これにより、ある機種の加工例では消費電力を最大89%削減できた。一方で、加工面品位や工具寿命は維持できるという。
