トヨタ、スズキにHVシステム 協業の地域・分野拡大
トヨタ自動車とスズキは、トヨタのハイブリッドシステムのスズキへの供給やOEM(相手先ブランド)供給の対象車種・地域の拡大など、新たな協業について検討を始めると発表した。協業範囲の拡大により、トヨタはハイブリッド車(HV)を中心とする電動化技術の普及加速を、スズキはグローバル市場での事業拡大を狙う。
トヨタによるハイブリッドシステムの供給はグローバル市場が対象で、時期や搭載車種などは今後詰める。このほか、2020年後半にトヨタが欧州でスズキにHVのOEM供給を開始。20年末にはスズキがインドで生産する小型車を、トヨタのアフリカ市場向けにOEM供給する見通しだ。
両社は17年2月に業務提携に向けた検討を始めた。これまでにインドでの20年の電気自動車(EV)投入や、スズキが開発する「小型超高効率パワートレーン」へのトヨタとデンソーによる技術支援などの協業内容を発表。今回、スズキが開発する同パワートレーンをトヨタのポーランド工場で生産し、同社の小型モデルに搭載することや、インドでのトヨタの車台「Cセグメント」を活用したミニバンの共同開発とスズキへのOEM供給、さらには22年からトヨタのインド工場でスズキのスポーツ多目的車(SUV)「ビターラブレッツァ」を生産することも明らかにした。
トヨタの豊田章男社長は「今回の合意により、インドや欧州をはじめ、グローバルにおいてさらにハイブリッド技術が普及することを期待している」とコメント。スズキの鈴木修会長は「ハイブリッド技術も使わせていただけることになったのは誠にありがたい」と、提携の進捗(しんちょく)を喜んだ。