IHI、香港社と資本提携 シールド掘進機を世界販売
IHIは、子会社のJIMテクノロジーが香港テラテックの株式51%を取得したと発表した。取得額は非開示。テラテックはシールド掘進機に加え、駆動するための電気機器や油圧機器など後続設備も手がけており事業規模は年間約60億円。国内販売が主体のJIMTは、テラテックと資本提携することでシールド掘進機のトータルシステムの世界販売体制が整う。
JIMTはIHI、JFEエンジニアリング、三菱重工業のトンネル掘削機事業を統合した会社。国内外で3500基以上の納入実績を持ち、大口径シールド掘進機に強みを持つが後続設備を手がけていなかった。また、テラテックが高シェアを握るインドやタイ、トルコなど海外営業網と連携し、世界展開を加速する狙いもある。
シールド掘進機システムの海外市場規模は日本国内の10倍超の4000億円。中国やインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)、中近東、トルコなどのインフラ整備や地下鉄路線拡大による需要増加が期待できる。
シールド掘進機は前面のカッターを回転させながら地下鉄や道路トンネルなどを掘削する。JIMTの事業規模は約240億円で世界3位とみられる。約8割を国内向けが占めており、テラテックを連結子会社化することで海外事業を伸ばす。