ショーワ、生産効率化モデルライン構築 IoT・内製ロボ活用
ショーワは生産面の体制効率化を進める。埼玉工場(埼玉県行田市)で省人化などを進める上で全生産拠点のモデルとなる生産ラインを構築した。効率化の成果を確認し、まずは米国や中国の拠点に早ければ2020年度からノウハウを広げる考え。生産効率を高めて自動車業界の変化に備える。次世代製品の実用化を見据えた体制整備にもつなげる。
埼玉工場でモデルとして構築するのは、ショックアブソーバー(緩衝器)の生産ライン。IoT(モノのインターネット)の活用や、緩衝器用に特化したロボットを内製して設置するなどで生産を効率化する。構想から一連の整備まで約1年半の期間で、投資額は計約20億円となる。効率化で現状と比べ「2割程度の原価低減をしたい」(杉山伸幸社長)としている。
効率化の成果は、まず米国や中国にある複数の生産拠点で生かし、品質向上などの改善にもつなげていく。米国の生産拠点では2割程度、自動車業界の競争が激化する中国では、3割程度の原価低減をそれぞれで狙う。
ショーワは軽量化など、自動車の電動化といった将来課題に対応した電動パワーステアリング(EPS)や、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を活用したプロペラシャフト、次世代軽量ダンパーなどの開発に取り組んでいる。
こうした次世代車向け製品の実用化を見据えつつ、生産体制を効率化し、業界の変化へ円滑に対応する。