牧野フライス、「後付けIoT」投入 低コストで生産性向上支援
牧野フライス製作所は同社のクラウドコンピューターと顧客先の工作機械を専用回線でつなぎ各種ソフトウエアや支援を提供するサービス「プロネットコネックス」の対象を、過去に販売した同社製の工作機械に拡大する。現在の対象は2018年4月から販売した専用通信機能を搭載したマシニングセンター(MC)のみだが、7月に放電加工機に拡大し、8月には後付け通信キットも発売する。安価にユーザーの生産性向上を支援するのが狙い。
後付けの通信キットは「IoTレトロフィットキット」。工作機械自体の改良はほぼ不要で、つなぐだけで工作機械の各種データの送受信が可能になる。価格は未定。プロネットコネックスは16年の日本国際工作機械見本市(JIMTOF)で披露した。通信回線は第4世代通信(4G)を用い、データ管理の安全性も高めた。サービス内容は、トラブル発生時の遠隔操作や設備の予知保全など。
年会費は20万円(消費税抜き)で、19年3月期の契約件数は150件。今後、機械の熱変形補正、コンピューター利用製造(CAM)データの高速処理など新サービスの追加も予定し、20年3月期は2倍の契約を目指す。
牧野フライス製作所はMCや放電加工機が主力で年間に約5000台を販売する。販売先には自社でIoT(モノのインターネット)を活用しきれない中小企業も多い。プロネットコネックスを普及させることでユーザーの効率化を支援、新サービスを追加していくことで同社製品の付加価値も高める考え。